甘草の摂取と薬

甘草は漢方薬、薬品以外にも様々な食品に添加物として使われています。甘草から抽出されるグリチルリチンは低カロリーで砂糖の50倍の甘さがあります。
痛みや咳などに効果があり、他の生薬と一緒に漢方薬に配合されています。また、肝機能障害やアレルギー、消炎作用を期待して一般の医薬品、栄養剤に配合されています。身近な生薬で摂取することも多いものです。
よい生薬なのですが、取りすぎに注意。副作用の報告があり、1日の摂取量が決められています。 グリチルリチンとしては1日200mg、生薬としては5g程度です。
以前から気になっているのですが、風邪薬のジキニンと栄養剤のリコリスという商品を合わせて売っている薬店を多く見ます。ジキニンに入っている甘草の量は1日あたり2.25g(生薬換算)、リコリスは4.5gです。合計すると6.75gで1日の摂取量を超えます。また、お菓子や食品などに使われていることを考えるともっと摂取している可能性があります。
本来なら、薬局、薬店の人が注意すべき事なのに・・・。商売としてはいいけど、薬の専門家としてはおかしいと思います。
この間もお客様がジキニンとリコリスを買いに来ました。私は、甘草の摂取量の話をして、一緒には服用しない方がいいと言いました。しかし、お客様は「他のお店ではセットで売っているじゃないの」と、納得いかない様子。
何も言わずに売った方が儲かるけど、それはよくないですよね。

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